コラム

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ITインフラの最適化

2020年08月04日【インフラ】

企業の成長のために不可欠なITインフラ環境にはセキュリティ対策、TCO削減、BCP(事業継続)対策など様々な課題が存在しています。またITインフラを構成する要素として「サーバ」「ストレージ」「ネットワーク」さらにはクラウド連携と多岐にわたり、個別の製品スキルやノウハウだけではもはや全体を最適化していくことは不可能です。

 

仮想化による最適化

サーバプラットフォームの仮想化は既に多くの企業や組織で採用され、ハードウエアに依存しないフレキシブルな環境に集約が進んできています。この結果、リソースの最適配分・稼働率向上・安全な移行など多くのメリットが得られています。最近では更に進んだ取り組みとして、ネットワークを仮想化し、サーバと融合させる試みが実現しつつあります。SDN(Software-Defined Networking)と呼ばれる新しい概念と実装技術によって、物理的な機器やポートに制約されることなく、ソフトウエアによって動的にセグメントを分離したりトラフィックを制御したりすることが可能となります。これにより従来はネットワーク機器1台1台に個別に設定を投入していたものがネットワーク全体で動的に制御可能となり、導入時や障害時の対応が安全に効率よく行えるようになります。

 

可視化による最適化

データ分析による継続的な改善を目指すためには、「ログの収集」「データの保持」「データの解析」そして「可視化」という工程が必要となります。ユーザのサーバに対する操作状況、ハードウエアリソースの利用状況、ソフトウエアライセンスの管理、外部からの攻撃の有無、あらゆる機器が発するエラーやアラート等々、監視・管理の対象は膨大な数に及び、いかに効率よく変化や予兆を察知できるかが非常に重要になります。しかし残念ながら魔法のような万能な方法はありません。プライオリティを付け、対象を定義し、それにふさわしいツールを組み合わせることで、現実的な運用体制が構築できるのです。

 

標準化による最適化

ITの世界ではIEEEやISO、JISといった標準化機関によって定められた標準規格と、デファクトスタンダードと呼ばれる事実上の標準が存在します。製品のライフサイクルが非常に短い(速い)IT製品においては、メーカーが差別化を主張する独自の機能や仕様が魅力的に映ることがありますが、少し長い目で見たときにそれがいわゆる「ベンダーロックイン」となって次なる新しい技術や製品との接続性や乗換えの大きな支障となる事象も数多く起こっています。標準規格やデファクトスタンダードとの互換性を見極めることは、システムの継続性や安定運用には欠かせない視点であると言えます。最近ではネットワーク機器においても標準化を目指して、ハードウエア(ベアメタルスイッチ)とネットワークOSを別々に調達できるOpen Compute Project(OCP)仕様なるものも登場しており、今後の展開が注目されています。

 

 

 

 

プランナーズランドでは「仮想化」「可視化」「標準化」の視点から、豊富な経験に基づきITインフラの最適化をご提案します。また、構築ベンダーとしてのスタンスだけではなく、IT部門の一員としてプロジェクトを推進するコンサルティング業務にも対応いたします。ぜひお気軽にご相談下さい。